

9月のゲスト:宮平玲依子(Reiko Miyahira)
技術部に所属の宮平さんは、音声を担当。テレビやラジオの現場で音の調整・収録などを行う”音”のプロ。仕事への思い、現場での苦労や喜びをインタビュー。
さらに宮平さんは2人のお子さんをもつ、ワーキングママ。仕事と育児を両立している彼女の育児スタイルについてお聞きしました。
―この仕事を始めたきっかけは何ですか?
宮平:高校生の頃に漠然とですが、コンサート会場などの音響を担当する人になりたいと思ったんです。それで音響の専門学校に通いました。勉強していく中で音の仕事の幅広さを知り、“音声”という仕事に出会って、卒業後、本土の番組制作会社に音声スタッフとして就職したんです。
―ビジョンの音声としてはどういう業務に携わっていますか?
宮平:テレビとラジオの収録やロケの音声業務です。
現場ではガンマイクやピンマイクを使って出演者の音を調整しながら収録しています。収録の他にも、生放送やイベント会場での音声業務も担当しています。
音の調整するのは、バランスよく聞こえるようにするためなんですよ。
―仕事をする上で気をつけていることは何ですか?
宮平:マイクをつけた後にボリュームやバランス、周りにうるさいものがないかをチェックすることですね。自販機などの機械音が気になった場合、撮影の間は電源を切ってもらうこともあります。
他にも、車やバイク、飛行機など一時的に大きな音が入ってしまう時は、一旦収録を止めてもらったり、出演者の方に声を大きく出してもらうようにお願いするなど細かく調整していくんです。
―細かいところまで気を配らないといけないんですね。
宮平:さらにテレビの場合は、画も考えないといけません。音を収録しやすい場所に、ガンマイクを差した時にマイクやその影が画に映りこんでしまうことがあるんですよ。そういう場合は、カメラマン・ディレクターとで話し合って現場を進めていきます。
―その他に気をつけていることはありますか?
宮平:手のリアクションが大きい出演者は警戒しがちですね。なぜならリアクションでピンマイクに触れてしまうので。
その時は「アッ!」って思います(笑)
他にもよく動く人も気になりますね。マイクに髪が触れた時のザザザーっという音も聞こえてしまいますから。
―髪の毛もですか?そんな小さな音も録れるんですね。
では、これまでで大変だった現場はありますか?
宮平:ロケで島に行った時の話なんですけど、泊まった場所が大変だったんですよね。女性部屋に虫がたくさんいて・・・。
しょうがなく、男性部屋でみんなでゴロ寝しましたけど。他にも、周辺にトイレがない場所での仕事は大変でしたね。その時は何とか行かずに済みましたが、トイレの確保は一番大事ですね。
―女性は特に大変だと思います。
宮平:そうですね。

忙しい現場でも後輩スタッフとコミュニケーションをとる宮平さん
―仕事内容、エピソードを聞いていると、音声の仕事についてもっと知りたくなりますね。
宮平さんの思う音声の魅力は何でしょうか?
宮平:やればやるほど面白くなるし、難しくなるところですね。場所や人、マイクの種類、番組内容によって収録する音が異なるので、毎回チャレンジや課題があるんですよ。
だけど何度やってもなかなか上手くいかないんです。
納得がいかないというか・・・。自己満足になってしまうんですけど、少しでも良い仕上がりを求めてしまうんですよね。普通には出来ているとは思うんですけど。
―より良いものを追求する思いが素晴らしいと思います。
では今後、経験してみたい仕事や現場などありますか?
宮平:音楽番組のMIXをしてみたいですね。“ザ・バンド”って感じの音楽を録ってみたい。楽器・ボーカル・拍手などの音のバランスを調整し、イメージに合わせた音響効果をつけた楽曲を放送できればいいなと思います。ひとくくりに楽器といいましたが、一組みのドラムに対してマイクを8~9個も立てるんですよ。ライブの盛り上がりなど色んな状況に臨機応変に対応する必要がありますが、是非チャレンジしてみたい。
―宮平さんのMIX、楽しみにしています。
宮平:その時は頑張りますよ!

2人のお子さんと楽しく遊ぶ宮平さん
―2児のママでもある宮平さんですが、仕事と育児をどのように両立されているんですか?
宮平:“適当さ”じゃないですか?あんまり頑張り過ぎないところだと思います。
両方を満点にするのは出来ないですからね。私は仕事5点・育児5点くらいかな・・・
―自己採点が低いですね(笑)
仕事を家に持ち帰ることはありますか?
宮平:持ち込まないですね。きちんと割り切るようにしています。仕事で調べたいことや気になることがあれば、早めに出勤することにしているんです。家で考える時間がないっていうのも理由の一つですけど。
―夕飯の支度はどうされていますか?
宮平:両親と二世帯住宅に住んでいるので助けてもらっています。保育園にお迎えに行くことを優先的に考えているので、夕飯の支度は両親に頼ったり、生協などの宅配を利用することにしています。
―ご家族のサポートがあると助かりますね。
宮平:はい、ありがたい環境です。
―不規則な勤務だと思いますがお子さんとのコミュニケーションはいつ取っていますか?
宮平:なかなか取れないですね。仕事から帰ると子どもたちが寝ていることがあるので。特に6歳の長男はおひるね時間がないから、ご飯食べたらすぐに寝ちゃうんです。よる7時とかに。だけど、可愛い寝顔を見るとホッとしますね。本当に二人とも可愛いんですよ(笑)

―子どもの笑顔を見ると安心しますよね。お子さんの成長をどういう時に感じますか?
宮平:新しいことが出来るようになった時にとても感じますね。
つい先日の話なんですが、竹馬に乗れるようになっていたり、雲梯が出来るようになっていたんです。
1か月前は出来なかったことだったので、驚きました。成長したなって。他にも長男を抱っこした時に思いますね。18キロもあるんですけどね(笑)
―18キロ!!力持ちで頼もしいママですね(笑)
では最後に、1日だけ自由な時間があるとしたら、何がしたいですか?
宮平:考えただけで最高ですね。ただボーっとしたい。昼から家でお酒を飲みながら映画やテレビを見て、昼寝をして・・・普段は家に居ると落ち着く時間はあまり無いですからね。だからダラーっとしたいですよね。
―ワーキングママは「時間との戦い」ですよね。本当にすごいと思います。
宮平:でも家でビールを飲むママですけどね。
ごはん食べさせながらビール飲んだり・・・育児5点がここに出ているんでしょうか。(笑)
―(笑)。宮平さんらしいスタイルでカッコイイと思います。
本日はありがとうございました。
宮平:ありがとうございました。
